新作『GIFT』に込めた想い 「ap bank fes'08」で見せたバンドとしての充実ぶりを
田家秀樹(「Mind of Music〜今だから音楽〜」DJ)が語る!
去年、デビュー15周年のアニバーサリーイヤーを送ったMr.Childrenの次への一歩が踏み出される。7月30日に発売される新曲「GIFT」のリリースを皮切りに、8月6日には去年のツアー「HOME」のライブDVD、9月3日には、再びシングル「HANABI」も控えている。
すでに7月には、静岡県掛川市の「つま恋」多目的広場で「ap bank fes'08」が行われた。音楽プロデユーサー、小林武史とMr.Childrenの桜井和寿が中心になって設立した、環境問題のプロジェクトに低利子融資する非営利団体、ap bankのフェスである。
桜井和寿はそのフェスの専属バンド、Bank Bandのヴォーカリストであり、小林武史は、そのキーボーデイストだ。つまり、彼らは、30組近いゲストの楽曲の全曲とMr.Childrenとしての演奏で三日間合計100曲以上を歌ったことになる。
7月30日に発売された新曲「GIFT」は、Mr.Childrenのステージの最後に歌われた。
優しい曲だ。心の痛みや傷ついた胸の内や背負い込んだ哀しみや報われなかった努力を、じんわりと包み込んでくれるような曲だ。それでいて力強い視線に貫かれている。
「G I F T」は8月8日から始まる北京オリンピックのNHKの放送テーマソングでもある。ただ、歌われているのは勝者の栄光ではない。たった一人しか手にすることが出来ない金メダルの影に潜んでいるいくつもの物語。そうやって賞賛されることのないままに繰り返される尊い日々の暮らし。「GIFT」は、そんな細やかな機微をすくい取ってくれる。桜井和寿は「金・銀・銅」という勝者のみに与えられる輝きよりももっと大切で、価値がある輝きが存在していると思っています」というコメ
ントを出している。
本当に賞賛されなければいけないのは何だろう。本当に伝えられければいけないものは何だろう。そんな問いかけは聞き手の胸を打つに違いない。
「GIFT」は三曲入りだ。カップリングの「横断歩道を渡る人たち」は、タイトル通り、街中での心象風景を綴った70年代フォークを思わせる曲だ。もう一曲の「風と星とメビウスの輪」は、小林武史とのピアノとヴォーカルだけというシンプルなものだ。そんなそれぞれ対照的な三曲に、今のMr.Childrenの総合力を感じさせる。
今年の「ap bank fes'08」で何よりも印象深かったのは、Mr.Childrenのバンドとしての充実ぶりだった。曲の解釈や表情によって変わる演奏とどんなアレンジになっても動じない骨格の確かさ。それは15周年を迎えた去年行われたアリーナ&スタジアム・ツアーでの成果だろう。曲の説得力、歌の説得力に、バンドの説得力が加わっていた。「GIFT」がまさにそれを象徴している。
彼らは、去年のツアー終了後からずっとレコーデイング中だそうだ。この夏、全国の夏フェスに登場する彼らは、その中で生まれた新曲も披露してくれるはずだ。
2008年の夏はMr.Childrenの季節になりそうだ。
田家秀樹(「Mind of Music〜今だから音楽〜」 DJ)
『GIFT』に寄せるメッセージ
一番きれいな色ってなんだろう?
一番光ってる色ってなんだろう?
この歌はこんな言葉からはじまります。
言うまでもなく、オリンピックにおいて一番きれいで光ってるものは「金メダル」です。
でも
僕は「金、銀、銅」という勝者にのみ与えられる輝きより、
もっと大切で、価値ある輝きが存在していると思っています。
勝利を収められなかった人の中にも、
また勝ち負けのない日常の中で一生懸命暮らしている人の中にも
どんなメダルにも負けない輝きが一人一人にあると思っています。
この歌が、皆さんの中にある輝きを見付けてゆく手助けになったとしたら
そんな幸せな事はありません。
桜井和寿
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